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在宅介護でどこまで暮らせる?

親御さんの住まいの相談を受けていると、必ず話題に上るのが「私は死ぬまでこの家で暮らす」「老人ホームには絶対に入らない」という親御さんの強い意志です。

もちろん住み慣れた我が家は誰にとっても離れがたいもの。たとえ、古くなって暑さ寒さが厳しくても、庭木の手入れや雪かきがおぼつかなくても、ごみの分別が難しくなっても、住まい続けたいという気持ちはわかります。しかし、現実的には要介護3以上の重介護になった時、高齢者だけで暮らし続けることは同居家族や、近居、遠方の子どもたちいかんにかかわらず、厳しいのではないかと思います。

内閣府の高齢者白書から介護の実態をのぞいてみると、介護が必要な高齢者の約8割は在宅で介護を受けています。このことからも、在宅介護を望む高齢者が多いということがわかります。

在宅介護の介護の担い手の約6割は同居家族で、そのうち7割は女性です。また、介護の担い手が60歳以上の割合も約7割で、70歳以上の担い手も約4割と、老老介護でなんとか暮らしている実態がうかがわれます。


では、同居家族や近居の家族が実際に介護に費やす時間はどれくらいあるのでしょう。


同じく内閣府の高齢者白書によると、介護度が高くなるにつ入れて同居家族が介護に費やす時間は長くなり、ほとんど終日を介護の時間に費やす人も要介護3で約35%、要介護4と5では半数以上が終日介護というのが実態です。ましてやこれがご夫婦の老老介護ということだと、大変な負担だと思います。さらにはお一人暮らしの方で、外部の介護事業者だけに頼る場合、介護のための時間も限られ、食事や排せつなど最低限の身体介助もままならない状況になってしまいます。

お客様のご相談を受けていても、要介護3以上の親御さんの介護を担っている方は、ほぼ終日目が離せない方も多く、近居で介護保険をフル活用しても、火の始末や転倒、お金の管理や様々なセールスやオレオレ詐欺から親を守ることなど、心配がつきず、仕事や自分のご家族の生活を犠牲にしながら親孝行を続ける方もいます。

もちろん、ご家族も大切な親御さんを高齢者施設に等入れたくない、という方も多いと思います。でも、今は高齢者施設の種類も数も大きく増え、自立して自分らしく暮らせる施設やホームも増えています。

老人ホームはいやなところ、お金がないから入居なんてできない、と先入観であきらめてしまうのではなく、元気なうちに老人ホームの種類や、施設で受ける介護についてもよく知り、より良い選択をしていただきたいと思います。

老人ホームの選び方や介護のお金についてのご相談もお受けしています。

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投稿者:fparita